K12マーチMT、3枚ドアはもう見かけない!?
K12マーチは今も街中でよく見かける車ですが、私の乗っている3枚ドアは前期で生産が終了しているので、街中で見かけることもなくなってきました。また5枚ドアの前期K12マーチも街中で見かけなくなってきたので、中古車市場でも数が少なくなってきているのがうかがえます。
パワステが効かなくなった!警告灯点灯!!
新車登録から19年が経過して、各所にガタが見られるようになった12SRマーチですが、昨年初冬からパワステが効かなくなる現象が時々起こるようになりました。
症状としては、車速が遅くて大きくハンドルを切るような駐車時に突然PSランプが点灯し、モーターアシストが切れてしまう症状で、以降は「重ステ」状態になってしまうものです。当初は、一度イグニッションキーをOFFまで戻して、再度エンジンをかけるとPSランプは消えてパワステも戻りましたが、春になるころにはPSランプが点灯したままになり、完全にパワステが効かない状態になってしまいました。
正直、重ステでも通常の運転には特に問題なかったんですが、コンソールに警告灯が点いたままでは車検に通らないので、仕方なくステアリングコラムの交換に至ったという訳です。
初めに触れましたが、前期K12マーチは街中でも見かけることが少なくなり、新車登録後13年以上経過して税金が高くなるタイミングで海外に売り飛ばされるか、廃車になる運命となっている状態です。これは、部品(車載パーツ)についてもいえることで、状態の良い中古部品がショップに潤沢にあるはずもなく、中古ステアリングコラムの購入に一番時間がかかりました。
ステアリングコラムのユニット番号を確認
K12マーチは、油圧ではなく電動のアシストモーターをパワステの動力にしています。確か車速に合わせてアシスト力を変えて、高速走行時に軽くなりすぎないようにしている優れものです。(でも軽すぎますが…)
ステアリングコラムは、モーターと制御ボックス一体のユニットになっていて、丸ごと交換で対応することになります。軽く日産ディーラーに立ち寄って聞いてみると、ユニットだけで10万は下らないし、工賃はそれなりに高くなります…と返答をいただきました。日産でお願いすると車検の金額が倍になる程度の覚悟が必要です。
仕方なく、オークションや自動車部品専門の通販を調べましたが、K12ステアリングコラムは何種類かあり互換性はない模様。現品確認したのがこちら。ダッシュボードの天板を外せば、フロントガラス越しに型番が確認できます。
この部品番号で検索すると結構高価なユニットばかり…48810-AX003をAmazonで検索すると純正部品が20万弱の値がついていました。楽天やヤフオクの中古品でも5万円を下回らないものばかりで購入を躊躇する価格…
ちなみにメインで調べていたのはこちらのサイト。RECOジャパンというサイトで、そのパーツのテスト結果や状態が詳しく載せてあり、安心して購入できそうな雰囲気でした。(結局こちらからは購入せず…)
上記サイトで部品を調べつつ、大手オークションサイトも並列で物色する感じです。部品をよく見ていると同じ部品がサイトに渡って出展されていて、価格の違いも興味深く観察できました。
ユニット購入
最終的な購入先はヤフオクから。価格は送料込みで11000円ほどでした。サビが目立ちますが、先のRECOジャパンにも同じ商品(写真が同じ)の販売があって、稼働品とのコメントを信じて購入判断をしました。もし、安いだけで詳細情報が無ければ購入を躊躇すると思います。
購入手続きしたのが朝で次の日の昼過ぎには現品が手元にあるのは本当にありがたい話で、物流を支える方々に感謝しかありません。届いたユニットは、やはりサビが目立つものの無理やり外した痕や打痕など無く問題はないように見えました。
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いざ交換作業
ざっと手順を整理するとこんな感じになります。
- 電源喪失に備えて準備
- バッテリーのマイナスを外す
- 運転席(座席)を外す
- ダッシュボード天板を外す
- ハンドルエアバッグを外す
- ハンドルを外す
- ウインカーユニットを外す
- コラムシャフト下側を外す
- コラムユニットを外す
- コラムシャフトを移植する
- キーシリンダーを移植する
- 逆の順序で取り付ける
前半の取り外し作業
1~3は作業するための準備です。エアバッグユニットを外すので、電源を供給しない状態にします。バッテリーを外すので、ハッチバッグの扉が開かなくなるなど、リモコンでのロックが出来なくなります。パワーウインドウの窓を閉めたり、必要な工具類をラゲッジスペースから出しておくことも必要です。またハンドルは中央にしてタイヤが直進する状態にしておきましょう
作業:バッテリーのマイナスをスパナで外す。外したケーブルは再接触しないように注意しましょう。
作業:運転席を外す。運転席を外すと格段に作業性が向上します。コラムシャフトユニットの下から手を入れたり、もぐりこんだりできるので面倒でも外してしまいましょう。樹脂カバーで隠された4か所のボルトと座席下のコネクタを外すと外れます。
作業:ダッシュボード天板を外す。フロントガラス両サイドのピラーカバーを外します。上のあたりを引くとクリップが外れます。ねじはありません。ピラーを外すとダッシュボードの天板が外せるようになります。これもネジは無く、手前側を上方向に力を入れるとクリップが次々外れます。クリップを上方向にすべて外して手前に引き出せば天板を外すことが出来ます。
これでコラムシャフトユニットのコネクタにアクセスできるようになります。
中盤の取り外し作業
作業スペースの確保が出来れば、取り外しにかかります。まず、ハンドルまわりから。
作業:ハンドル中央エアバッグの取り外し。ハンドルがセンターとして、4時と8時の方向に2か所ねじ隠しのフタがあるので取り外します。(マイナスドライバーを差し込んで外れます。)中には、星型のビスが隠れています。いたずら防止ビスの一種で中央に突起付きのトルクスビスが使われていて、専用の工具でないと外せません。サイズがT-30の穴付きのものを用意しましょう。ねじにはゆるみ止め接着剤が塗られていて、緩んでも最後まで重いままなので、工具を買わずに何とかしようとしても苦労するだけで良いことはありません。
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作業:トルクスビス2本外すと、ハンドル中央のエアバッグユニットが外せます。裏側の中央にはコネクタがあるので、落とさないように裏返して、コネクタを外します。黄色いコネクタには黒いロックが組み込まれているので、このロックを外すとコネクタが外れます。
作業:ハンドルを外します。中央の1本のボルトで固定されています。17mmでした。ボルトを外すと手前に引き抜けます。コネクタを外すのも忘れずに…
作業:ウインカーまわりの樹脂カバーを外します。下方からねじ3本で締結されています。外すと上と下で分割できます。おまけでキーシリンダーカバーがぽろっと外れます。むき出しになったウインカーユニットはねじ2本で固定されているので、3つのコネクターを外せば取り外せます。
作業:邪魔になりそうな部品を外す。少しでも作業性を良くする目的で、スピードメーター周りのユニット、コインホルダーまわり、コラム下ボックスなどを外してしまいます。メーター周りは樹脂製のカバーを手前に引き抜くようにクリップを外すと外れます。メーターユニットはコネクタを外し、3か所のネジを外すと外すことが出来ます。そのほか、コインホルダーやコラム下ボックスは引き抜けばクリップが外れて分解することが出来ます。
上の写真では、別件でオーディオも外しました。リアスピーカから音が出ないので確認したんですが、フロントスピーカのラインをリアに結線しても音が出なかったので深追いせず…
後半の取り外し作業
いよいよステアリングコラムユニットを取り外します。
作業:コネクタ類を外す。ユニットの上部(メータの裏当たり)に3本、キーシリンダまわりに2本のケーブルがコネクタで刺さっているので取り外し、ウインカーユニットに接続されていたコネクタケーブルが留められているので外します。
作業:コラムシャフトの下側を外す。クラッチペダルとブレーキペダルの奥にあるコラムシャフト下側を外すためにクリップを引いて、樹脂カバーを外します。スパナで緩めボルトを引き抜き、ロックナット、回り止めバネクリップを外すと外すことができます。
作業:ステアリングコラムを外す。ペダル側を頭にして運転席に寝そべるようにすると、ステアリングコラムが下から見ることが出来ます。ステアリングコラムは4本のナットで固定されているので、4本とも外します。4本外しても落ちてくることはありませんが、念のため手で支えるなどして作業します。4本のナットが外せれば、ハンドル側に体勢を向き直って座るような姿勢で下からステアリングコラムユニットを支えながら、手前に引きます。ユニットを支えていた引っ掛かりが外れるので、重さが手に加わります。結構重いので注意です。
ここからは試行錯誤してユニットの向きを変えながら引き抜きます。おそらく、K12マーチでも前期モデルしかこの状態でステアリングコラムを引き抜くことはできないと思います。パワステモータが長くなったステアリングコラムはこのままではおそらく抜けないので、ダッシュボードの全面パネルを外す必要がありそうです。(それくらいぎりぎりで外します。)
作業:コラムシャフトの取り外し。購入したステアリングコラムにステアリングシャフトが付いていたら移植の必要はありませんが、今回購入したものにはシャフトが無かったので移植するため取り外します。
シャフト上側はE型トルクス(星のオス頭)が使われています。E10のソケットを購入する必要があります。このボルトにはゆるみ止め接着剤が塗られているので、緩んでも重いまま回し外す必要があります。8mmの六角レンチで外せるとの情報もありましたが、頭をなめて壊す前に工具を買う方が早く作業が終わると思います。(実際そうでした。)
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作業:キーシリンダーの取り外し。購入したステアリングシャフトにもキーシリンダーが付いていると思いますが、元のキーを使うのでキーシリンダーを移植します。取り外すにはボルト1本外すだけですが、このボルトには回すための頭形状が無く、力ずくで分解する必要があります。
比較的緩めに止められていたので、ペンチで頭をつまんで回すと緩みました。緩まない場合は、ねじ頭をつぶしたときなどに重宝するネジザウルスが有効です。ダイソーでもよく似た商品が売られているので買っておいても損はないはず。皿ビス以外なら大抵良い仕事をします。
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組立て作業 前半
ココから折り返しで、購入したステアリングコラムユニットを使って再組み立てを行います。
作業:購入したステアリングコラムのキーシリンダーを交換。購入したステアリングコラムに付いていたキーシリンダーを外して元のものと交換します。固定は回す頭形状の無いボルトなのでペンチか何かで固定することになりますが、最後にセンターポンチかマイナスドライバーを当てて締める方向に小衝いておくとより安心です。
作業:ステアリングコラムユニットを固定。ユニットを持ち上げて、知恵の輪のように回しながらもとにあった場所までユニットを配置します。4本のボルトを穴に通して上に持ち上げ、奥側に押すと引っ掛かりに掛かり、ユニットが落ちることはありません。念のため手前側2本のナットを軽く締めておけば安心です。
また、ペダル側を頭にしてユニット下にもぐり、奥側のナットを締めます。緩い状態でユニットを奥側に押し当てて、4本のナットを固く締めてしまいます。
作業:コネクタ接続。ステアリングコラム上部のコネクタ3か所と、キーシリンダー2か所のコネクタを元通りの位置に差し込みます。
作業:コラムシャフト下の固定。コラムシャフト下側の固定をします。まず、コラムシャフト下側の先端を取り付けるシャフトにひっかけ(横からしか入らない)て、ゆるみ止め付ナットをバネ板で挟んで取り付けてしまいます。その後六角ボルトを締めると、ロックナットがガタの無い状態で固定されます。固定できればカバーを元通りクリップで留めます。
組立て作業 後半
ステアリングコラムが固定できればもう後半で、メーター周り、ハンドルまわりの部品を取り付けて完成です。
作業:メーターパネルの取付。メーターパネルをねじ3本で固定し、コネクタを元通り接続します。メータパネルのカバーをクリップで固定されるまで差し込んで固定します。
作業:ウインカーユニットの取付。ウインカーユニットは取り付ける前にコネクタを差し込み、ケーブルが遊ばないよう(走行中にビビり音にならないように…)にインシュロックで適所に固定します。あとはユニットの上部の四角の突起とステアリングコラムの四角の穴を合わせて差し込み、ネジ2本で固定します。
作業:ウインカーまわりのカバーの取付。上下に分割したウインカーまわりのカバーを元通りにはめ込み、3本のネジで固定します。キーシリンダーのカバーは凹凸を合わせて差し込むと定位置に収まります。
作業:ハンドルの固定。ハンドルが固定される軸にはギザギザになっていて、ハンドルの中心と組み合わさって滑らないようになっています。分解前にタイヤが直進する位置でハンドルを取り外した前提で、ハンドルも中央で差し込みます。ハンドルの中心に六角ボルトをねじ込んでハンドルを固定します。コネクタ1か所の接続も忘れずに…。
作業:エアバッグユニットの取付。エアバッグユニットのコネクタを接続して、ハンドル中央に差し込みます。株両サイドからトルクスネジ2本で固定です。固定後、目隠しのカバーを取り付け…。
作業:カバー類の取付。ダッシュボード天板、ピラーカバー、ステアリングコラム下ボックス、コインホルダーまわりを各種はめ込み、最後に運転席を戻せば完成です。最後に、余ったネジがないか作業場を見渡して確認しましょう。
完成
組立て完成後、バッテリのマイナスを取り付けて動作確認です。ライト、ウインカー、ウォッシャー、警笛など確認できることはしておきましょう。コネクターが外れてたら反応しないはずです。また、メーター類も表示されているか、警告灯はついていないか確認します。
念入りに確認できれば、極低速で車を動かしハンドルにがたつきがないか(特に切り返しの時など)、直進時にまっすぐハンドルが向いているかを確認します。もし直進時にハンドルに角度があれば、バッテリのマイナスを外して30分以上放置後に再度エアバッグユニットを外して、ハンドルの角度を合わせる必要があります。
追記: しばらくしてラジオが入らないことに気付きました。そういえばアンテナをオーディオにつなぐの忘れた…
完成後の感想
少し作業ボリュームの大きいステアリングコラムユニット交換でしたが、特に事故もなく交換作業が出来ました。格安で購入した部品なので心配でしたが、交換後に全く問題なく警告灯も消えて結果的には良い買い物でした。思わず「軽ッ」って声に出してしまいました…。ただ、安物の「買い物」だったので、外れの確率も高かったと思っています。
実は一番苦戦したのがコラムシャフトの上側のE10トルクスを緩める作業で、手持ちの工具で外そうとしたものの最終的に工具屋に工具を買いに行って即解決という流れでした…。手持ちの工具で深追いしてボルト頭をつぶす恐れがありましたが、早々に諦めてよかったです。
車検時にディーラーに頼れば10万近くになりそうな不具合を1万ちょっとで済ませられたので良かったですが、今後ハンドル関連で事故が起こってしっぺ返しにならないように、細心の注意をしながら経過観察しようと決めています。
ちなみに車検は無事通り、あと2年の延命ができました。やっぱり最後の車検かなぁ…。今のところ(交換後3か月以上経過)気になるところはありません。
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