【実験報告】天ぷら油のろ過 安く、手軽にできない? 身近な材料でろ過をしてみました!

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揚げ油を手軽にろ過して無駄なく使いたい ろ過の写真

いろいろな食品の値上げが連日ニュースに取り上げられています。小麦粉や油、砂糖、しょうゆなど無いと料理が出来ない品物も例外なく高くなってきていますよね。

無駄なく、ごみとして捨てる分をできるだけ省いた工夫が大切です。今回は、から揚げ、とんかつ、天ぷらなど、揚げ物で必ず消費する「油」を長く使う工夫をしてみました。

テーマは、安く、手軽に油を長持ちさせる。です!

この記事のもくじ

油を使う料理と油の劣化

揚げ物の代表と言えば、から揚げ!ですが、子供にも人気で精肉の中では安さをキープしている鶏肉を使うので、家族受けも家計にも優しい優等生的な存在です。とはいうものの、まぶすタイプの唐揚げ粉や、片栗粉を使った竜田揚げなど揚げていると油が汚れていきます

揚げ物イメージ写真

とんかつのパン粉や天ぷらの天かすも揚げていると溜まってしまい、早く引き上げないと茶色くなって、その色が油にも移ってしまいます。

同じ油で2~3回揚げ物をすると、はじめ黄金色の油が褐色で少し濁ったものになってしまい、野菜ばかりの調理ならそれほどではないですが、肉や豚肉、エビ・イカなどのシーフードを調理すると油の汚れは急加速します。

汚れと一緒に気になるのが「におい」。何度も使った揚げ油は、独特のにおいが残り、次使う時にコンロで温めだすと前回何を揚げたのか、香りでわかるくらいです。

ろ過したい

汚れた油での調理は仕上がりにももちろん影響するので、汚れた油で野菜の天ぷらなんてしたものなら残念な結果に…。かといって、油を捨てるには油を固めて捨てたり、少量なら牛乳パックに新聞紙詰めてゴミとして出すなど、勿体ないうえにゴミも増やします。

これまで、活性炭ろ過が出来るオイルポットも試したことがありますが、「実はこれって油を捨てる方がコスパ良い?」って気付くことがあって、それ以来使わなくなっています。ろ過オイルポットは、効果は絶大(油のにおいも色も戻る)でしたが、何度か使うと効果も落ちて、ろ過が遅くなるので、カートリッジを交換しなければなりません。そのカートリッジ代は、およそ油1本分だったか…。

そこで、より安価に手軽にろ過できないかと思い実験をしました。ろ過に使うアイテムはこちら。

コーヒーフィルター、出がらしのレギュラーコーヒー、水のろ過に使える活性炭

これらを単独、組み合わせで使って油のろ過効果を調べました。

すでに汚れた油を使い実験

すでに何度か継ぎ足しで使っている油を再生できるかの実験です。ある意味一番条件が悪いような気がしますが、試しにやってみました。全ての条件で油が常温になったものをろ過しています。

1.コーヒーフィルター2枚重ね

2.コーヒーフィルターに乾燥した出がらしコーヒーを入れてもう一枚コーヒーフィルター

3.コーヒーフィルターに活性炭を入れて、もう一枚コーヒーフィルター

(以下、それぞれ 1.フィルター2枚 2.出がらしコーヒー 3.活性炭 と呼びます。)

容器は、こちらもコストを掛けずに2リットルのペットボトルを使いました。

フィルター2枚

1.のコーヒーフィルター2枚では、写真のように2リットルのペットボトルの上から1/3位を切断したものにコーヒーフィルターを、ペットボトルの形に馴染むように入れ、同じく2枚目を馴染むように入れたものを使いました。ペットボトルの下の部分は、油受けにします。

ペットボトルで揚げ油のろ過 使ったペットボトルの写真

処理前の油の様子は、それなりに色が濃くなっていて透明度も少し落ちています。下の写真では、右側の鍋に処理前の油が映っています。

コーヒーフィルターで揚げ油のろ過 作業の様子写真

フィルターに通すと、油のしずくはポタポタとゆっくり流れました。実際に油が通過して、ろ過の効果があるのは、ペットボトルの口の径の部分だけだと思われる(ペットボトルの容器に接するフィルター部分は、油が流れない)ので、それなりに細かいフィルターなのだと解ります。100均で売っている、油のろ過シートは、スーッと通過しますが、細かい粒子状のごみはこし取れません。

結果はというと、透明度(光の透過度)が上がって、にごりが消えました。が、においはそのままで、油に浮遊している細かいゴミが取れたのだと解釈できます。

出がらしコーヒー

ペットボトルの容器はそのまま使って、一番下にはコーヒーフィルターを形に馴染むように入れ、そこに、乾燥した出がらしレギュラーコーヒーを入れてもう一枚コーヒーフィルターを入れたものを用意。乾燥した出がらしコーヒーは、コーヒー抽出後に、もう2回ほどお湯を通して、出がらしの出がらしを作ってから、よく乾燥させました。

出がらしコーヒーフィルターで揚げ油のろ過 作業の様子写真
2枚重ねのフィルターの間に
出がらしレギュラーコーヒー

油をこのフィルターに通すと、しばらく油が落ちませんが油が通ると、フィルター2枚と変わらないスピードで流れ、その色はコーヒー色にはならず、透明度も変わらないような気がします。

出がらしコーヒーフィルターで揚げ油のろ過 作業の様子写真

結果はというと、油の色は変わらず、フィルター2枚と同じく透明度(光の透過度)が上がって、にごりが消えたのと、思いのほか匂いが軽減しました。まだ匂いは残っていますが、嫌な臭いは消えたような気がします。

活性炭

こちらもペットボトルの容器に、コーヒーフィルターを1枚形に馴染むように入れ、次にお茶パックに入れた活性炭を浮かないように底に押し付けて設置、その上にもう一枚コーヒーフィルターを馴染むように入れました。活性炭は、ダイソーに売っていた「浄水蛇口」×2を分解して取り出した活性炭を使いました。

活性炭フィルターで揚げ油のろ過 作業の様子写真
この上にもう一枚コーヒー
フィルターを重ねる
活性炭フィルターで揚げ油のろ過 作業の様子写真
二つ分用意しました
活性炭フィルターで揚げ油のろ過 作業の様子写真
分解してお茶パックに…

油をこのフィルターに通すと、しばらくしてポタポタを油が落ちはじめ、そのしずくの色はというと…期待したほど透明にはなっていませんでした。

活性炭フィルターで揚げ油のろ過 作業の様子写真
ろ過した揚げ油

結果はというと、ほとんど油の色は変わらず、上記二つと同じく透明度が上がったのと、においがかなり軽減されました。レギュラーコーヒーよりも匂いが収まった感じです。期待した色の改善は、ほぼ変化なしの結果に少しがっかり…。

結果一覧

色の改善匂いの改善コスパ
コーヒーフィルター2枚×
出がらしレギュラーコーヒー
浄水用活性炭
ろ過ポット(過去の印象)

ろ過に使えそうな活性炭については、通販で手に入るものもありますが、本来の目的の「安価に」「手軽に」にはならないし、ろ過ポットで良いんじゃ?ってなるので、深追いはしません。今後、少し続けようと思っているのは、「出がらしレギュラーコーヒー」に決定しました。

出がらしレギュラーコーヒーは、通常捨てていたものなので、このテストの消耗品は「コーヒーフィルター2枚」のみになります。容器もペットボトルなので、汚れればリサイクルに回します。

しばらく続けて、長期レポートを追記できればと思っていますので、お待ちください。

しかしながら注意点も

油を長く使う時に注意するべき点もあります。油の中でそれぞれ食材に熱を加えると、その食材に含まれていた油脂が溶けだし、揚げ油に混ざってしまいます。また、何度も加熱を繰り返し、汚れた油の状態で長く放置すると「酸化」が進み、風味が落ちて何を揚げてもベタっとした食感になってしまいます。

そればかりか酸化した油は体にも悪いと言われているので、冷めた状態の油が「なんだかトロっとしてきた」とか「特に変なにおいがする」状態ならその油は捨てて、新しい油で調理するようにしましょう。

から揚げ専門店の中では、油を育てて毎日継ぎ足しながら(つぎ足す量も半端ないですが…)長年風味を維持して揚げているお店もあるので、油を捨てる判断基準は、これまで通り見た目で、もうダメかな~っていう感覚で良いと思っています。

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その後

3度ほど新しい油をつぎ足しながら鶏肉や豚肉をから揚げにしましたが、状態変わらず、サラサラでにごりのない油を保っています。ろ過した油を天ぷら鍋に戻すとき、おりのような不透明な濁った油が無いので細かいゴミもろ過が出来ているのが再確認できました。

臭いの方も、これまでのろ過しない油を温め始めると臭ってくる香ばしい臭いほとんどしないので、このろ過油で野菜の天ぷらでもしてみます。

今後も、交換したくなる状態になるまで継続して追記していきます。

その後2

その後、6回にわたってろ過しながら使いましたが、徐々にろ過のスピードが遅くなってくるようになりました。また、寒い朝にわかったのですが、油に馴染んでいたはずの油の一部が半透明に沈殿しているのが見られるようになり、試しに冷蔵庫で冷やすと白濁した状態でオリのように底に溜まりました。

冷えた状態で、コーヒーフィルター2枚でろ過したところ分離できましたが、白濁したオリがたまったフィルターを温めると液状の油になったので、揚げ油に溶け込んだ動物性の油脂なのかもしれません。もしかしたら、揚げ油に溶け込んだ不要な油脂を分離できるかもしれない発見かも…

その後3

現在のろ過の方法は、コーヒーフィルター2枚によるろ過に落ち着いています。出がらしレギュラーコーヒーは雨が続くと乾燥に手間取り、清潔に保てないことがありわざわざ乾燥材を入れて保管しておくのも面倒になったので、ギブアップしました。一方、フィルターだけなら揚げ物の後に熱くない程度の温度ならいつでもろ過できるので、継続に面倒なことがありません。天ぷら鍋も洗いたいので、むしろ油を移動させたい要求に最適です。

その後2で紹介していたあぶらの分離ですが、下記のように時々分離して使うようになりました。冷蔵庫に入れる前と後の写真ですが、ろ過後の油を3日ほど冷蔵庫に入れたものです。この沈殿したものを冷蔵庫内でコーヒーフィルター1枚でろ過すると、沈殿分を分離することが可能です。ろ過が面倒な時は透明な上澄み油だけ使って、残りは牛乳パックに詰めた新聞紙に吸わせて捨てています。

揚げ油のろ過 料理後の油を冷やしてみる前
揚げ油のろ過 料理後の油を冷やしてみた後

これによって成分的にどうなるのか確証はありませんが、動物性のアブラの割合が少し減っていることを期待してときどきやっています。

ちなみにろ過すると、フィルターに残るのはこんな感じです。フィルターの色と分離した沈殿物の色が似ているので見にくいです…キレイではないので注意です。

2度続けて野菜ばかりの天ぷらをした油を同じように冷蔵しましたが、この分離沈殿物はできませんでした。

揚げ油のろ過 料理後の油を冷やして分離した沈殿物をろ過

気分的にこのドロッとした沈殿物を分離できるのは、悪くない気がしています。あくまで私の感想ですが…

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